2012年03月29日

著書刊行『〈彼女〉という場所−−もうひとつのマラルメ伝』

著書が刊行になりました。『〈彼女〉という場所−−もうひとつのマラルメ伝』永倉千夏子、水声社、2012年3月23日。

そして、本日(2012年3月29日)読売新聞朝刊に、広告が出ました。

本書で扱われるのは、言ってみれば、「詩と愛のあいだ」。19世紀後半のフランス象徴派詩人ステファヌ・マラルメについて、その後半生唯一にして最大の〈恋人〉とされる女性メリー・ローランとの交際と同時期の諸状況、および同時期に制作された作品群との間に展開された文学的生涯を読み解くものです。
多くの韻文作品について、初出形や草稿段階の全訳(原文付き)が掲載されているほか、テオフィル・ゴーティエの『キャピテン・フラカス』他、バンヴィルやテニスンなど、これまで具体的に影響関係を指摘されることのなかった多数の作品との照応の考察にもページを割いています。散文をも含む膨大な考察を通し、その文学的生涯の最初と最後に現れる長詩『エロディアード』が「舞台」断章から総合詩篇『エロディアードの婚礼』へと再び懐胎されることとなった謎へと迫ります。
文学にとってモデルとは何か。芸術にとって対象とは何か。制作とはいかなる行為であるのか。これら根本的な問題をもっとも真摯に問い、かつ実践した詩人の生涯を、可能な限りそれに寄り添う形で問い返した一冊です。



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2012年03月05日

翻訳書刊行『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り』

このほど、翻訳書が出版されることになりましたので、お知らせします。
邦題は『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒りーー現代の「悪」とカタストロフィー』。明石書店より2012年3月10日刊行です。
いかに『訳者あとがき』から抜粋を掲載するように、著者は科学哲学者で、この種の本にありがちな「不安をあおる」ものでも「偽りの安心を与える」ものでもありません。何をどう考えたらよいのか、考えさせてくれる本です。





<訳者あとがき>抜粋

 本書は、Retour de Tchernobyl ----- journal d’un homme en colère(Seuil, 2006) の全訳である。原題を直訳するなら、『チェルノブイリより帰る−−怒れる男の手記』となろう。著者ジャン=ピエール・デュピュイは科学哲学者。自身が語るところによれば、理工科学校[ルビ:ポリテクニーク]、鉱山学校[ルビ:ミーヌ]、上級公務員というエリートコースを進み始めたところで疑問を抱き、「脱線」の過程を始めたという。人間的事象の総体を考察しきることができない合理主義的思考の根本的欠陥とそこから生じるさまざまな綻びが現代という時代を覆っているという認識は、政治思想家ハンナ・アーレントに負うものである。イヴァン・イリイチ、ルネ・ジラール、ジョン・ロールズらに影響を受けた。彼自身の言及するところからは、遠くハイデガー、ヤスパース、ベルグソンなどの系譜に属すると言うこともできるだろう。科学技術とりわけ核の時代を見据える視点は、アレントの最初の夫であるギュンター・アンダースを受け継ぐものである。現在はプロフィールにもある通り、理工科学校社会・政治哲学名誉教授、スタンフォード大学教授、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)倫理委員会委員長をつとめている。二〇一一年ロジェ・カイヨワ賞受賞。(…)

 本書は、一九八六年のチェルノブイリ原子力発電所事故後二〇年の節目に開催されたウクライナのタラス・シェフチェンコ大学夏期セミナーに参加した著者が、当地での見聞とフランスに戻ってから目にした資料や報告における事故の被害評価との落差に愕然とし、その根本的な原因について哲学者としてめぐらせた考察をまとめたものである。それは単なるルポルタージュではなく、また机上の空論でもない。実際にチェルノブイリを訪れたことを「原体験」とするならば、彼が書くのは原体験ではない。彼が書くのは、それを目にしたときにはとらえることができず、その場から離れ、かつ、事後に得られたさまざまな情報と比較し再び体験することではじめて把握しえたものだ。その意味で本書は、ある真に重大な現実的事象についての分析であるとともに、なんであれそのような事象を前にしたとき、真摯な人間の思考が辿る軌跡の証言ともなってくれるであろう。(…)

 本書の提出する問題は、およそ次のようなものだ。(1)チェルノブイリというカタストロフィーは、何であったのか、被害評価を確定するのがかくも難しいのはなぜなのか(被害評価の不確定性)。(2)それを生んだ背景は何なのか(アーレントも言う「短見」に基づく行政システムが生み出すシステム的悪)。(3)それを自己正当化しリスクが現実化してさえ影響関係の有責性を科学的に「排除」する科学的合理性、(4)そのことが一般の人々のとらえる有責性と乖離していることに気づかない、もしくは気づこうとしない科学技術官僚[ルビ:テクノクラート]の道徳的感受性の欠如、などである。末尾および補論で著者は、それでも産業社会の存続のためにしかるべきエネルギーを確保することが不可欠であるとするならば、そのための対価として我々が準備しなければならない想定外リスクをはらむ未来と現在との間に折り合いを付ける術はあるのか、ということも考察している。(…)

 数字が嘘をつかないというのは、虚妄である。なるほど数字は自ら以外の大きさを示したりはしない。しかし、人が読むのは、数値自身ではなく、その大きさが示す意味である。何らかの調査結果が人に示す意味を操作するために、データの数字を改竄する必要はない。データ収集の方法、モデル化の範囲、あるいは計算方法を変えれば、人に「安心」を与える値を出すことは科学的合理的に可能だ。そしてそれを科学的合理的に「不正」だと言うことはできない。より適切な算定方法があると主張することができるだけなのである。(…)

 では、リスクのあるシステムが不可避であるとして、その安全性について我々はどのように考えるべきなのだろうか。とりわけ原子力においては「絶対的安全」が求められるとしても、デュピュイも言うように、リスクは決して完全なゼロにはならない確率イプシロンすなわちゼロではない極小値となることができるだけだ。それを覆い隠すために情報の不透明性が生じる。科学技術官僚〔ルビ:テクノクラート〕による裏付けを与えられた「安全性」を「信ずること」が求められる。こうした「安全性の信仰」も、核抑止力における「行使されず効力を持つ力」も、本質的には、核という「本来の神に遅れてやってきた」超越性の二次的神聖化であり、ルネ・ジラールの言う「聖なるもの」と同じ形で成立していることをデュピュイは指摘する。その意味で彼の「【覚醒せる】破局論」とは、悪意不在のところに現れるシステム的悪という現代の「悪」と常に不発であることを求められる核という現代の超越性、この二つの根本的欺瞞に【光を当てる】ものなのだ。(…)


デュピュイの指摘する問題は次のことだ。巨大なシステムが、きわめて確率は小さいが、起こったならば未曾有の被害を引き起こすカタストロフィーを予防するためには、しばしば莫大なコストがかかる。いかなるコストでなら、それを予防することが「採算に合う」と言えるのか。そのコストをかけてカタストロフィーを予防することと、誰も手放したがらない産業社会の繁栄を両立させることは可能か、ということだ。しかも、完全に予防されてしまったならば、そのカタストロフィーは「起こるはずのなかったもの」となってしまう。そうなってしまったら、そのカタストロフィーは「コストをかけて予防する価値のあるものだったのか」ということになってしまうのだ。
 だがこれは、とりわけ原子力については、一企業の責任でありながら、それにとどまるものではない。一企業の支えうるバランスシートの枠組みが壊れたときは−−それがカタストロフィーだ−−我々自身がそれを払うこととなる。経済的に、環境的に、それとも我々自身か我々の子孫の生命をもって。原子力を選択するということは、我々自身も大なり小なりそのリスクを引き受けるということなのである。

 「カタストロフィーのリスクを十分完全に取り除くことは可能か」という問題に対して、デュピュイは断定的な解決法は示していない。むしろ、それを取り除くことはできないということが、哲学的に言えば我々人類の本源的恐れなのだ、ということを見すえているように思われる。我々はその恐れと共に生きるべきなのだろう。だが、そうであるとしても、当たり前のことだが、回避可能なものは、最大限、回避されるべきだ。望ましくはないが起こってしまったなら被害が最小になるような備えも必要だ。そして現代日本ではもっとも難しいことかもしれないが、備えのないところに起こったカタストロフィーを可能な限り穏やかにランディングさせるために「創造的対応力」がなくてはならないのではないだろうか。「システム的悪」を補ってあまりある「道なきところに道をつくる能力」を、人間が持っていてほしい。必ずやあるはずのその能力を、社会が窒息させないでほしい。それが「パンドラの箱」の中の「希望」となるであろう。そう願っている。(…)
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2011年04月06日

特別講義:フランス語の音韻体系とパフォーマンスにおける注意

                 特別講義

         フランス語の音韻体系とパフォーマンス上の注意

(発音記号が表示できないため、便宜的にカタカナで説明します)

<母音>
 フランス語の母音の種類は、日本語よりたくさんあります。
 発音する時の舌のもっとも高い部分がどこにあるかにより、前舌母音、後舌母音、両者の中間である複合母音の3つに分かれ、さらに鼻母音があります。実際に発音する時は「どこで音を出しているか」を意識するとよいでしょう。

〜ア〜
 日本語の「ア」に当たるものは、前舌のアと後舌のアに分かれます。しかし最近では後舌のアは廃れてきているので、不自然でない限り、アを見たら明るくはっきり発音すればよいのです。パフォーマンスでは特に、ぱかっと口を縦に開きましょう。本来後舌である「ア」は、単語の中でも普通に話している中では明るくはっきりさせにくい位置にあるので、明瞭に発音させやすいところをはっきり明るく出せば、そうでないところは相対的に、自然と、本来の発音記号に近い所に落ち着くはずです。

〜エ〜
 日本語の「エ」に当たるものも、2つあります。狭いエと開いたエで、どちらも前舌母音に含まれます。狭いエは、通常、口を横に引いて鋭く発音するよう、指導されます。開いたエは、「鋭く」という意識を持たず、普通に発音すればほぼ大丈夫です。ただ、狭いエで口を横に引くのは、実は「横に引くことが目的」なのではなく、「唇周辺に緊張感を作り、それに世で鋭い音を出す」ことが目的なのです。普通は、唇を横に引くことでその状態が得られやすいので、そう指導されます。しかし、横の緊張感のみを意識すると音がこもりやすいので、前方に声を出すパフォーマンス向きではありません。また、知的な話し方をするフランス人をよく観察すると、鋭いエの緊張感は、横ばかりでなく縦方向にも働き、それによって鋭い音をきれいに前方に押し出していることが分かります。できるだけ早く、横+縦の緊張感を持って鋭い音を出すエをマスターしましょう。

〜イ〜
 フランス語のイは、1つしかありません。鋭い前舌母音です。これも通常は、唇を思い切り横に引くと指導されます。鋭いエと同じ原理です。しかしこれも鋭いエと同じ理由により、できるだけ早く、横+縦の緊張感を持って鋭い音を出すイをマスターしましょう。エよりも鋭くするこつは、口を小さく細くすること、パフォーマンスの際は、鼻の頭にしわを寄せ、鼻骨に共鳴を当てることです。

〜オ〜
 フランス語のオは、2つあります。どちらも後舌母音です。狭いオと開いたオです。開いたオを普通に言っておいて、狭いオの方で弁別特徴を付けます。唇をより狭く丸くすぼめて前に突き出します。そうすると顔が前方に向かって縦長になります。口の中も前後に縦長になります。この状態で唇と喉の奥を緊張させて奥で「オ」と言います。うまく緊張させられない人は、「ゥオ」で練習して「オ」に移行してみましょう。

〜ウ〜
 フランス語には、日本語の「ウ」と同じ口形、同じ場所で出す音はありませんが、カタカナの「ウ」で書かざるをえない音は何通りかあります。
 後舌のものは1つで、綴り字ではouで表されます。狭いオよりさらに唇をすぼめて突き出し、奥から「ウ」と言います。
 この唇をさらに限界まですぼめて突き出し、音の場所を前舌にすると、とても狭く鋭い「ユ」の音になります。綴り字ではu、発音記号では[y]で表されます。これは「u françaisフランス語のウ」と言います。
 一方、唇の緊張を解き、口の中の空間を丸く広く確保するために少しだけ口先を丸めて前舌上方の広い空間に声を響かせる曖昧な「ウ」もあります。これは、綴り字では、アクサンがなく「エ」と読まないeの字(音節の最後にあって後ろに子音字を伴わないもの)、発音記号では、eを上下逆さまにした記号で表されます。これは、そのままでは強勢を置くことができず声が前に出にくいので、パフォーマンスにおいては唇を尖らせた「ウ」に近づけます。
 この曖昧な「ウ」の唇をもう少しすぼめ、口の中の広い空間は残した、オとウの中間のような音もあります。発音記号では、oにスラッシュをかぶせた、「空集合」(?)のような記号で表されます。さらに、そのまま唇のすぼめ感を残して口を縦長にしてアとウの中間にする音もあります。こちらは発音記号では[œ]の記号で表されます。どちらも、このままでは声が前に出ないので、パフォーマンスでは、前者はオまたはウ、後者はウまたはアに近づけます。

〜鼻母音〜
 フランス語の鼻母音は、4種類あります。
(1) 後舌の狭い「オ」の口形を作ります。唇をすぼめて突き出し、奥から出す「オ」の音を真上に抜きます。呼気は鼻に抜くので鼻母音と呼ばれますが、共鳴は真上に抜いて頭蓋骨全体に響かせます。これは普通に話す際もパフォーマンスの際も変わりません。カタカナでは「オン」としか表記できませんが、2つの音ではなく1つの音です。
(2) 同じ要領で、抜く角度をやや斜め前方に倒して、「ア」と「オ」の中間の音を鼻母音にするつもりで発音すると、後舌の「ア」を鼻母音化した音になります。
(3) 同じ要領で、抜く角度をさらに倒して、「ア」と「エ」の中間の「ア」に近い音を鼻母音にするつもりで発音すると、[œ]を鼻母音化した音になります。
(4) 同じ要領で、抜く角度をさらに倒して、「ア」と「エ」の中間の「エ」に近い音を鼻母音にするつもりで発音すると、「開いたエ」を鼻母音化した音になります。英語のcatの母音をややゆるめた音を鼻母音にするつもりで、頬骨を上げ、頬骨と鼻骨に共鳴させるときれいな音になります。


<子音>
〜閉鎖子音(破裂音)〜
 両唇を合わせて破裂させ、無声のものが[p]、有声で発するものが[b]。
 舌先と歯を合わせて破裂させ、無声のものが[t]、有声で発するものが[d]。
 舌の奥と軟口蓋を合わせて破裂させ、無声のものが[k]、有声で発するものが[g]。

〜狭窄子音(摩擦音)〜
 下唇と上前歯を合わせたまま呼気を通して摩擦するもののうち、無声が[f]、有声が[v]。
 歯茎に舌を近づけ(接触させない)、狭くなったところで呼気を摩擦するもののうち、無声が[s]、有声が[z]。
 舌先よりやや真ん中に近い部分を持ち上げて硬口蓋との間を狭め、狭くなったところで呼気を摩擦するもののうち、無声が「シュ」、有声が「ジュ」。[s]、[z]との区別が苦手な人がいるので注意しましょう。

〜鼻子音〜
 閉鎖音の[p]、[b]を破裂させず鼻腔に呼気を通すと[m]。同じく[t]、[d]を破裂させず鼻腔に呼気を通すと[n]。狭窄音の「シュ」、「ジュ」を摩擦させず鼻腔に呼気を通すと「ニュ」。

〜流子音〜
 狭窄音の[s]、[z]の舌先と歯茎を合わせ、その両側の空間から呼気を摩擦させず連続的に流すのが[l]。
 綴り字ではrで表されるのが、もっとも変異体の多い音です(発音記号は表示できません)。一般的な話し言葉では、舌の奥と軟口蓋の間に呼気を通す際にルルッと震わせる音、ないしは、その震えが減少し摩擦に近い音になったものが用いられます。それゆえ、その部分をうがいの要領で震わせる練習をしつつ、震えないうちは摩擦に近い音すなわち[h]をきわめて強い呼気で出すもので代用するとよいのです。
 パフォーマンスの際は、[h]で代用する音は破綻を起こしやすいので、喉鳴りのrまたは(フランス語においても)巻き舌のrを用います。


<半子音/半母音>
 初級文法書ではほとんどの場合、半母音と記載されます。
 母音[i]、[y]、[u]をそれぞれもっと狭めて子音化したものです。
 母音[i]を子音化したものは「や」「ゆ」「よ」の母音をとった部分に当たります。crayon(クレヨン)などの中に現れます。
 母音[y]を子音化したものは、nuit(ニュイ)などの中に現れます。
 母音[u]を子音化したものは、oui(ウイ)などの中に現れます。

2011年03月30日

すみれ、オペラ座でランデヴー♪物語篇第1課解説

「すみれ、オペラ座でランデヴー♪」物語篇第1課:解説

<第1課>
・ Pourquoi chantez-vous? Depuis longtemps・・・「pourquoiどうして」。疑問文での語順はいろいろ可能ですが、疑問詞が文頭にあるときは、主語と動詞を倒置することが多いです。倒置しない場合は、疑問詞の後ろに「以下疑問文ですが倒置しません」という印にext-ce queをつけます。「depuis〜前から」「longtemps長い間」。「depuis peu少し前から」、「どれくらい前からdepuis combien de temps?」、「2年前からdepuis 2 ans」など。

・ C’était en France que j’ai appris à chanter・・・C’est 〜 que節で強調構文。étaitはêtreの半過去。「en Franceフランスで」。場所の「で、に」は6パターンあり(後述)。J’ai apprisは動詞apprendreの複合過去。apprendre+不定詞で「〜するすべを学ぶ」。ほかにapprendre+名詞で「〜を知る、学ぶ、習う」、apprendre+que 節で「〜ということを知る、知らされる」。ただし注意!apprendre+名詞/不定詞/節+à人となると、「〜に…を教える、知らせる」。

・ Vous y êtes allée pour étudier la musique?・・・êtes alléeは「aller行く」の複合過去。yは「そこに」という場所を表す代名詞(文法篇「中性代名詞」を参照)。pour+不定詞「〜するために」。「étudier勉強する」。

・ J’allais souvent à la Bibliothèque National.・・・allaisは「aller行く」の半過去。ここでは過去の習慣を表す。フランスの国立図書館については、以下を参照のこと。現在はGallicaというシステムにより、過去の資料のかなりの部分がオンラインで閲覧できる。以前は、ここに通ってリプリント(またはマイクロフィルム)をとるよりほかなかった。コピーができるまでは、手書きの筆写だったのだ!
http://ja.wikipedia.org/wiki/ビブリオテーク・ナショナル

・ Alors・・・「それでは」という副詞。

・ C’était par une rencontre・・・parはここでは前置詞「〜による」。「rencontre出会い」。étaitはêtreの半過去。直訳は「それはある出会いのせいでした」

・ Pardon, monsieur.・・・pardonは「すみません」に当たるとても便利な言葉。ここでは人を呼び止める(注意を喚起する)のに使われている。その他、例えば混んでいる場所などで「すみません、通ります」などのように、予め軽い無礼を詫びる、などのときにも使える。語尾を上げると、「すみません、もう一度言っていただけますか?」のように、相手の言葉を確認できる。

・ La sortie, s’il vous plaît.・・・ほしいもの、知りたいものを言って、英語のpleaseに当たるs’il vous plaîtをくっつける。そうしてよいやら分からないときに使うと、結構何とかなる。「sortie出口」。出口はどこにあるか分からないだけで、建物には必ずあって確定しているので定冠詞を使っている。

・ Je crois que je me suis perdue・・・Je crois que+節は、英語のI think thatに相当。me suis perdueは代名動詞「se perdre迷う」の複合過去。

・ Ce sera ennuyeux.・・・ennuyeuxは「退屈な」という意味もあるが、ここでは「困った/面倒な/煩わしい」。Ce seraはC’estの単純未来。ここでは推測を表す。

・ C’est interdit au public ici・・・「interdit禁止されている」。「au public一般の人には」。「iciここ」。

・ Je vous accomagne.・・・「accompagner一緒に行く/連れていく/送っていく」。vousはここでは、「あなたが」ではなく「あなたを」という意味の直接目的語。フランス語では、目的語代名詞は動詞の前に出る。nousとvousは主語も目的語も同じ形なので、注意。

・ Par ici・・・直訳すると「ここを通って」。レストランなどで案内してくれるとき、日本語では「こちらでございます」というが、フランス語では「ここを通って(行ってください)」と言っているわけだ。

・ Certes, c’est ouvert de 10h à 17h tous les jours・・・「certes確かに」。「ouvert開いている」。「de ~ à … 〜から…まで」。hは「heure(s) 時」の略。「tous les jours毎日」。

・ on peut voir l’intérieur de l’Opéra・・・主語のonは、一般的な人を表す人称代名詞。「私たち」、「みんな」、「誰か」などの代わりをする。活用は3人称単数。peutはpouvoir+不定詞「〜することができる/してよい」。英語のcanとmayに相当。「intérieur内部」。

・ les endroits qu’on peut voir・・・endroitは一般的な「場所」を表す。英語で一般的な場所を表すplaceと同じ綴りのフランス語は、むしろ「スペース/空間/席/地位/順位/広場」などを表すので、仏作の際は注意が必要。queは目的格関係代名詞(文法篇参照)。「voir見る」。

・ l’Opéra・・・ここでは「オペラ・ガルニエ」のこと。以前はオペラとバレエの両方が上演されていたが、新オペラ座(オペラ・バスティーユ)ができてからは、オペラの上演はそちらに移った。しかし、「ガルニエでオペラを」とのファンの要望も強く、現在ではガルニエでも小規模オペラはいくつか上演されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ガルニエ宮

・ Comment est-ce que vous avez pénétré jusqu’ici?・・・「commentどうやって」。手段、方法、様態などを聞く疑問詞。うしろにest-ce queをつければ主語動詞を倒置しなくてOK。avez pénétréは「pénétrer入り込む、侵入する」の複合過去。「jusque〜まで」。「ここici」。jusqueは、後ろが副詞以外のときは前置詞を伴う。「駅までjusqu’à la gare」、「朝までjusqu’au matin」、「最後までjusqu’à la fin」など。

・ Je ne sais pas.・・・saisは「savoir知っている」の直説法現在。動詞をne〜pasで挟むと否定文。

・ Ce n’est pas grave.・・・多少の支障はあっても「重大grave」ではない、というニュアンスの「たいしたことはない」。

・ mais la sortie n’est pas très près・・・「maisでも」。「près近く」。「〜の近く」はprès de〜。「この近くprès d’ici」、「映画館の近くprès du cinéma」など。

・ Allons en bavardant pour tuer le temps・・・allonsは「aller行く」の命令形の一つ。Let’sに当たる。en bavardantは、「bavarderおしゃべりをする」のジェロンディフという形。英語の分詞構文のようなもの。ここでは「〜しながら」の意味。「tuer le temps時間をつぶす」。

・ Voilà un escalier・・・Voilàは目の前のものをさして「ほら〜だ」と提示するときに使う。「階段escalier」。

・ Voulez-vous monter?・・・ここでは倒置疑問文になっているが、Vous voulez+不定詞で、「〜はいかがですか?」という勧誘の表現。voulezはvouloir(英語のwantに相当)の直説法現在。

・ Il y a la sortie?・・・Il y a +名詞で、「〜がある」。普通は名詞に不定冠詞や部分冠詞を伴って、未知のものを提示することが多いが、ここでは前述の通り「出口」は、建物には決まってあるものなので、定冠詞になっている。謎の紳士は、すみれちゃんをぶらぶらつれ回しているのだが、すみれちゃんは出口に向かってくれていると無邪気にも信じているのである。地下にいるわけでもないのに、階段を上って出口に出るものだろうか;;

・ Si vous aviez des ailes・・・「siもし」は、英語のif節に当たる。aviezは「持っているavoir」の半過去。si+半過去は、英語の仮定法過去の条件節に当たる。現在の事実に反することを仮定している。「きみにailes翼があったら(屋上は出口なんだがね)」というわけだ。

・ On a des abeilles là-haut・・・onは前述の通り、不特定の人を表す。「飼っている」は「持っているavoir」でOK。「abeille蜜蜂」。「あの上にlà-haut」。

・ Il y a beaucoup de jardins à Paris・・・Il y aは前述の提示の表現。「〜に…がある」と使う。beaucoup de +無冠詞名詞で「たくさんの〜」。数えられる名詞は複数形にする。「jardin庭」。「〜に」で場所を表すとき、都市名は無冠詞で前置詞à。

・ beaucoup de fleurs, beaucoup de miel・・・「花fleur」、「蜂蜜miel」。fleursは数えられるので複数、mielは数えられないので単数形。

・ On vend des pots de miel comme souvenir de l’Opéra・・・vendは「vendre売る」の直説法現在。「potビン」。un pot de〜で「一ビンの〜」。ビンといっても、壷やかめに近いもの。ボトル状のものはune bouteille。comme+無冠詞名詞で「〜として」。名詞に冠詞がついていると「〜のような/ように」。「souvenirお土産」。

・ C’est bon?・・・bonはいろいろな意味があるが、ここでは「おいしい」。謎の紳士の無駄話に天然で答えているすみれちゃんである。

・ pas mal・・・「悪くない」という決まり文句。では良い意味なのか悪い意味なのかというと、むしろ良い方である。pas spécialは「特にすばらしいわけではない」

・ Le miel est bon pour la gorge・・・「bon pour …〜によい」。「gorge喉」。

・ Ah bon?・・・ごく普通の相づち。ごく普通ということは、さほど気のない返事ということだ。

・ Savez-vous quand on a construit ce bâtiment?・・・倒置疑問文になっているが、savezは「知っているsavoir」の直説法現在。後ろは接続詞「quandいつ」の率いる節なので、英語のDo you know when〜に相当。a construitは「construire建築、建造する」の複合過去。「bâtiment建物」。ceは英語のthis, thatに相当する指示形容詞(遠近の区別はない)。onは一般的な人を表す主語なので、できるだけ訳さない。日本語では、受け身や自発などで工夫して訳してみると良い。

・ c’était au dix-neuvième siècle?・・・c’étaitはC’est(英語のThat isに相当)の半過去。「siècle世紀」。〜世紀というときは、序数詞を使う。1以外は基本的に数詞にièmeをつけると序数詞になる(文法篇「数字」の項を参照)。19はdix-neufだが、序数詞ではdix-neuvième。。ちなみに20はvingtで「20世紀」はvingtième siècle。21はvingt et un。「1un / une」に対応する「一番目」はpremier / premièreだが、10の位や100の位がつくと〜unièmeとなる。それゆえ「21世紀」はvingt et unième siècle。発音は(これに限らず)以下のサイトで聞くことができる。世の中は、日々、便利になっているものだ。
http://ja.forvo.com/word/vingt_et_unième/

・ C’est ça・・・「そうです」という相づち。C’est celaとも言う。ceもçaもcelaも指示代名詞。

・ sous le second Empire・・・sousは英語のunderに相当。数詞の2はdeuxで、「2番目」はdeuxièmeだが、secondも用いられる。発音は「スゴン」。女性形はsecondeで「スゴンド」。男性形で後ろに母音または無音のhで始まる単語が続くときは濁音ではなく清音のtの音でつなげる。それゆえ「第二帝政」は「スゴンタンピール」と読む。以下のサイトで聞くことができる。
http://ja.forvo.com/word/second_empire/#fr

・ Vous savez quelques détails du projet d’Haussmann?・・・倒置疑問文にはなっていない。フォーマルでない会話ではこれで問題ない。「いくつかのquelques」は不定形容詞。単数形では「ある程度の」、「何らかの」。「détail詳細」。語尾がailで終わるものは複数形がauxとなることが多いが、これはsをつけるだけ。「projet計画」。オスマン計画については、コラム欄、また以下のサイトを参照のこと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/パリ改造

・ Oui, un peu.・・・un peuは、英語のa few, a littleにあたる、「少し」を「少しある」と肯定的にとらえている。un peu de〜で「少しの〜」。peuとすると、「少ししかない」と否定定なとらえ方になる。

・ Vous savez assez bien, tandit que vous avez peu de sens de l’orientation.・・・savezは「savoir知っている」の直説法現在。「assez bienかなりよく」。tandit queは「一方」という意味の接続詞。「sens de’orientation方向感覚」。peu deなので、「方向感覚が少ししかない」と言っているわけだ。

・ Je ne me trompe pas dans le livre, mais je me tromprai très facillement dans la rue・・・Je ne me trompe pasは、代名動詞「se tromper間違える、思い違いをする」の直説法現在否定形。「livre本」。je me tromperaiはse tromperの単純未来「間違えるだろう」。「très facillementとてもやすやすと」。「dans les rues道で」。rueは、つくりの統一されたファサード(全面)の建物が両側に建ち並んでいるイメージの普通の道。両側が背が高いので、「dans中に」というニュアンスのある前置詞を使う。一方、「avenue大通り」は、両側を囲まれているという感覚がないので、「sur上に」を使い、sur l’avenueとなる。

・ Et vous faites une visite guidée dans les secteurs interdits・・・「faire une visite guidéeガイド付き見学をする」。visite accompagnéeともいう。「secteur区域」。「interdit禁じられた」。

・ Vous avez de la chance・・・「avoir de la chance運がいい」。de laは部分冠詞。「いくらかの運を持っている」というイメージ。

・ C’est grâce à vous・・・「grâce à〜のおかげ」(良い意味で)。悪い意味で「〜のせい」という時は、à cause de。vousは前置詞の後ろなので強勢形。

・ C’est exactement ça・・・「C’est çaそう」に副詞「exactementまさに」がついている。

・ comme ça・・・「こんなふうに」

・ Vous avez raison…absolument・・・avoir raisonで、「〜の言うことは正しい」。「absolument絶対に、全面的に、完全に」。

・ Vous aimez chanter?・・・「aimer+不定詞 〜することが好き」。「chanter歌う」。

・ Chantez・・・chanterの命令形の一つ。

・ Il n’y a personne.・・・「Il y a〜がいる、ある」。ne〜personneで「誰も〜ない」という否定。

・ Puis-je chanter quoi?・・・puisはpouvoir(+不定詞「〜できる/してよい」)の直説法現在で、主語jeを倒置する時のみ用いられる。quoiは、疑問詞「何をque」が文頭以外で用いられる形。

・ N’importe quoi・・・「何であれ」

・ Ce que vous aimez.・・・ceは形式名詞的に「〜なこと」を表す指示代名詞で、先行詞として用いられている。queは目的格関係代名詞。

・ Est-ce que vous avez déjà pris des leçons vocales?・・・Est-ce queは、以下疑問文、倒置しませんというしるし。vous avez déjà prisは、動詞「とるprendre」の複合過去に「déjàすでに」という副詞のついた形。「すでに〜したことがあるか」と過去の経験を聞いている。「leçonレッスン」。「vocal声の」。

・ Jamais・・・動詞をne~jamaisで挟むと「決して〜ない」という否定文。Je n’ai jamais pris…を略している。

・ Qu’est-ce que c’est que ça, ces notes d’agrément?・・・Qu’est-ce que c’est? あるいはQu’est-ce que c’est que ça?で「それは何ですか?」。「notes d’agrément装飾音」。note d’ornementとも言う。文法的には、疑問形容詞を用いてQuelles sont ces notes d’agrémentなどとするのが正しい。

・ Je n’en ai jamais vu la partition・・・J’ai vuで「voir見る」の複合過去形。ne~jamaisで「決して〜ない」という否定形。enは代名詞の一種で、直接目的や関節目的を表す人称代名詞で受けられないものを受ける代名詞の一つ。文法的には、性数の区別がないので、中性代名詞という。ここでは、Je n’ai jamais vu la partition [de cette chanson]. 「私は[この歌の]楽譜を見たことがありません」の[ ]内をうけている。「de+□」をうける、というのがenの特徴である。

・ Nana Mouskouri a chanté comme ça, je crois・・・ナナ・ムスクーリはギリシア出身のポピュラー歌手で、政治活動も行っている。Plaisir d’amourは、Martini (1741-1816) 作曲でPiacer d’amorとしてイタリア古典歌曲集に収録されているが、彼は実はイタリア人ではなくドイツ人で、フランスで活動するに際し、音楽家と言えばイタリア人の方が通りがよかったため、イタリア名を用いていたもの。歌詞もイタリア語とフランス語の両方が掲載されているが、フランス語で歌われることの方が多く、また、ポピュラー歌手によって歌われることも多い。すみれちゃんが聴いたのはポピュラー・バージョンの一つなのだった。しかしすみれちゃんは日本で子供の頃ヴァイオリンを習っていたため、音のとり方、リズムの刻み方、装飾音が妙にクラシックっぽく、「声楽をやったとは思えない発声だけど、この子なんなの?」と謎の紳士が不思議がったわけである。「Je croisと思います」は、英語のI thinkに当たる。

・ C’était mal?…Non, pas mal・・・「mal下手」。

・ Excusez-moi・・・「すみません」。

・ On a fait un détour pour vous laisser chanter・・・「faire un détour回り道をする」の複合過去。pour+不定詞で「〜のために」。不定詞であるlaisserは使役動詞の一種で「〜させておく」。放任動詞とも言う。「vousきみを」「chanter歌わ」「laisserせておく」がこのような語順となっている。

・ Arrêtez・・・arrêterは他動詞「〜を止める/やめる/中断する」も自動詞「止まる/やめる」もあり、s’arrêterで代名動詞「止まる/やめる/休む」にもなる。ここでは自動詞の命令形。

・ Alors, prenons un raccourci・・・「alorsそれじゃあ」。prenonsはprendre (=take) のnousに対する命令形。「prendre un raccourci近道をする」。

・ On est au-dessus de la scène・・・「scène舞台/ステージ」。au-dessu deは英語のaboveに当たり、「〜の上の方に」。英語のonにあたる「〜の上に」はsur。二人はステージの天井裏にいるのだ。

・ Voilà le plafond célèbre peint par Chagaal, tout près・・・「Voilàほら〜だ」。「plafond天井」。「célèbre有名な」。「peint描かれた」。「par〜によって」。「tout prèsすぐそこ」。toutはprèsを強調している副詞。シャガールはロシア(現ベラルーシ)出身の画家。1960年から1964年にかけて、当時の文化大臣アンドレ・マルローの依頼により、天井画を制作。もともとあったルヌヴの天井画の複製は、オルセー美術館におさめられている。

・ Ca me fait frémir・・・Ca(セディーユ付き)は指示代名詞「それ」で主語となっている。fait:faireは使役動詞「〜させる」。「me私を」「frémirふるえ」「faireさせる」がこの語順となっている。

・ On va tomber・・・va:aller。動詞allerはここでは「行く」ではなく、aller+不定詞で近接未来という時制を表している。これから「tomber落ちて」しまう=「落ちそう」ということだ。すみれちゃんは下を見て怖がっているのだが、謎の紳士は下界には全く興味を示さず、二人の話はかみ合っていない。謎の紳士は、ひとり、別世界を見て唱い始めるのである。





・ Maestro, qu’est-ce que vous venez de chanter?・・・歌を聴いて初めてすみれちゃんは、紳士が「ただ者ではない」ことに気づき、Maestroと呼びかけるのだった。qu’est-ce queは「何を」を聞く疑問代名詞で、後ろには倒置されない平叙文を伴う。vous venez de chanterのvenezは動詞「venir来る」だが、ここではvenir de + 不定詞で、近接過去「〜したばかり」という時制を表す。

・ ヴェルディVerdiの『仮面舞踏会Un ballo in maschera』から「Eri tu che macchiavi quell’animaお前こそ心をけがすもの」・・・YouTubeでの画像は、Piero Cappuccilli (1929-2005) のもの。カプッチルリはイタリア出身で、20世紀後半最高のヴェルディ・バリトンの一人とされている。謎の紳士がオペラ座の天井裏からこのように唱ったとすれば、見学中の観光客などは、オペラ座の怪人それとも天井からの声かと思ったであろう。

・ C’était cette rencontre qui vous a fait chanter?・・・C’est … qui主語を強調する強調構文の半過去形。「rencontre出会い」。強調を省けばCette rencontre vous a fait chanter. ここでも動詞faireは使役動詞。直訳は「この出会いがあなたを唱わせた」。

・ Il vous a séduite・・・動詞は「séduire魅惑する」の複合過去。過去分詞はséduitだが、直接目的語「vousあなたを」が動詞の前にあり、vousはすみれ先生(女)であるので、過去分詞が性数一致してséduiteとなっている。

・ C’est romantique・・・「それはロマンティックですね」が直訳。

・ j’ai commencé à prendre des leçons une fois par semaine・・・動詞はcommencerの複合過去。commencer à + 不定詞で「〜し始める」。「prendre des leçonsレッスンをうける」。「une fois par semaine1週間に一度」。

・ Sa voix laisse tomber amoureux・・・saは所有形容詞「彼の/彼女の」。「voix声」。動詞laisserは使役(放任)動詞。「tomber amoureux恋に落ちる」。直訳は「彼の声は恋に落とさせる」。「誰を」とは言っていないのである。そこでMasaが「Il vous a bien séduite! 彼はあなたをちゃんと魅惑したのですね」とダメをおすのだが、すみれ先生は「par sa voix声によってね」とかわしている。すみれ先生の目は今もハートなのだが…???

2011年03月27日

すみれ:オペラ座でランデヴー♪文法篇第3課

第3課

1. 指示形容詞

 指示形容詞とは、「この」「その」など英語のthis, that, these, thoseにあたるものです。
 修飾する名詞の性数によって、形が変わります。

【指示形容詞の性数変化】
男性単数形(子音字の前で)・・・ce ス 
ce jardin スジャルダン「この庭」
男性単数第二形(母音および無音のhの前で)・・・cet 
cet appartement セタパルトモン「このアパルトマン」
女性単数形・・・cette セット 
cette maison セットメゾン「この家」
(男女とも)複数形・・・ces セ 
ces fleurs セフルール「これらの花」
ces enfantsセザンファン「これらの子供たち」(

Ex 1 次の単語に指示形容詞をつけましょう。
a) ( ) semaine(f) b) ( ) après-midi (m)
c) ( ) jours-ci d) ( ) matin (m)

$ヒント:semaineスメーヌ「週」、après-midiアプレミディ「午後」、matinマタン「朝。
c)は、全体で「この頃」を表す。

Ex 2 次の冠詞を指示形容詞に直しましょう。
a) un billet → ( ) b) un ordinateur → ( )
c) une lettre → ( ) d) des amis → ( )

!注意:指示形容詞のみで遠近の区別を表すことはできません。
 遠近を区別するときは、後ろに-là、-ciをつけます
例:ce sac-ci, ce sac-là「こちらのバッグ、あちらのバッグ」

2. 所有形容詞

<所有形容詞>
 「〜の」を表し、英語のmy, yourなどにあたります。
 修飾する名詞の性数に応じて変化します。

【所有形容詞の形】
所有形容詞は、形がたくさんあります。
「持ち主の人称」と「持ち物の性数」に応じて変化するからです。

まずは、「私の」シリーズを覚えましょう。
男性単数 mon モン mon stylo モンスティロ「私のペン」
女性単数 ma マ ma chambre マシャンブル「私の部屋」
男女複数 mes メ mes lunettes メリュネット「私の眼鏡」

次は「君の」シリーズ。主語のtuに対応する形です。
「私の」シリーズの語頭をtに変えます。
男性単数 ton トン ton dictionnaire トンディクシオネール「君の辞書」
女性単数 ta タ ta famille タファミーユ「君の家族」
男女複数 tes テ tes chaussures テショスュール「君の靴」

次は「彼・彼女・それの」シリーズ。主語のil, elleに対応する形です。人ばかりでなく、モノも指せます。
「私の」シリーズの語頭をsに変えます。持ち主の性と持ち物の名詞の性は関係ありませんので、注意してください!
男性単数 son ソン son mari ソンマリ「彼女の夫」
女性単数 sa サ sa cravate サクラヴァット「彼のネクタイ」
男女複数 ses セ ses examens セゼグザマン「彼・彼女の試験」

次は「私達の」シリーズです。
ここから先の複数人称では、持ち物の名詞の単数と複数の区別しかありません。
単数 notre ノートル notre magasin ノートルマガザン「私達の店」
複数 nos ノ nos devoirs ノドゥヴォワール「私達の宿題」

次は「あなた(がた)の」シリーズです。
「私達の」シリーズの語頭をvに変えます。
単数 votre ヴォートル votre mariage ヴォートルマリアージュ「貴方(方)の結婚」」
複数 vos ヴォ vos parents ヴォパラン「貴方(方}達の両親」

最後は、「彼(女)らの、それらの」シリーズです☆
単数 leur ルール leur lycée ルールリセ「彼らの高校」」
複数 leurs ルール leurs vêtements ルールヴェトゥモン「彼らの衣服」」

!注意:ma, ta, saは、母音で始まる女性名詞の前では、語頭衝突を避けるためにmon, ton, sonに変わります!
 例:mon adresse モナドレス「私の住所」、ton école トネコル「君の学校」

Ex 3 次の単語に所有形容詞をつけましょう。
a) ( ) chambre (f)   私の部屋
b) ( ) lunettes  君の眼鏡
c) ( ) livre (m) 彼女の本
d) ( ) adresse (f)  彼の住所
e) ( ) père  私たちの父
f) ( ) vacances  あなたの休暇
g) ( ) bébé  彼らの赤ちゃん
h) ( ) enfants  彼らの子どもたち


3. 第1群規則動詞

 avoirやêtreは不規則動詞でした。ほかにも重要な不規則動詞はたくさんありますが、フランス語の動詞の大部分は規則動詞です。規則動詞は、第1群規則動詞と第2群規則動詞に分かれています。

《第1群規則動詞の見分け方》
 原形(辞書に載っている形)の語尾が-erで終わっているもの(の大部分)。
 語尾が-erで終わっていても、allerアレ「行く」は不規則動詞。
 他に、基本的に1群だが、部分的に変則となるものもあります。(後述)
《第1群規則動詞の活用の仕方》
(1)語幹と語尾を分ける。
語幹とは、活用させても形の変わらないところ
語尾とは、活用する時に形の変わるところ
   第1群規則動詞では、原形の-erの前までが語幹。ここまで不変。
   そこから後ろが語尾。

(2)主語に合わせて語尾を次のように変える。

原形….. er 「エ」
je….. e 読まない tu….. es 読まない
il….. e 読まない elle….. e 読まない
nous….. ons 「オン」 vous….. ez 「エ」
ils….. ent 読まない elles….. ent 読まない

《活用表の作り方》
慣れないうちは、次の手順で作ると、必ずできます!
(1)主語代名詞を8つ、順番に書く。
(2)主語代名詞の後ろに、語幹(活用しないところ)を全て書く(全部同じ)。
(3)その後ろに、主語に合わせて語尾を付ける。
(4)動詞が母音または無音のh(母音同様に扱う)で始まっている時は、jeのeを消して’を付ける(エリジオン)。

(以下、ilとelle、ilsとellesの活用は同じです)
je parle ジュパルル nous parlons ヌパルロン
tu parles チュパルル vous parlez ヴパルレ
il parle イルパルル ils parlent イルパルル


j’aime ジェーム nous aimons ヌゼモン
tu aimes チュエメ vous aimez ヴゼメ
il aime イレメ ils aiment イルゼーム


Ex 4 次の動詞の活用表を作りましょう。
< chercher シェルシェ「探す」>







《仏検5級レベルの第1群規則動詞》
aider エデ「助ける、手伝う」 aimer エメ「〜が好き」
arriver アリヴェ「着く」 chanter シャンテ「歌う」
chercher シェルシェ「探す」 danser ダンセ「踊る」
décider デスィデ「決める」 déjeuner デジュネ「昼食をとる」
demander ドゥマンデ「頼む、尋ねる」 dîner ディネ「夕食をとる」
donner ドネ「与える」 écouter エクテ「聞く」
entrer アントレ「入る」 étudier エテュディエ「〜を勉強する」
fermerフェルメ「閉める、閉まる」 habiter アビテ「住んでいる」
inviter アンヴィテ「招待する」 jouer ジュエ「遊ぶ」(プレーする)
laisser レセ「〜のままにしておく」 marcher マルシェ「歩く」
monter モンテ「のぼる」 montrer モントレ「見せる」
oublier ウーブリエ「忘れる」 parler パルレ「話す」
passser パセ「通り過ぎる、立ち寄る、過ごす、〜を・・に回す」など
penser パンセ「考える」 pleurer プルレ「泣く」
porter ポルテ「運ぶ、身に付けている」 poser ポゼ「置く」
préparer プレパレ「準備する」 présenter プレザンテ「紹介する、示す」
regareder ルギャルデ「見る」 rencontrer ランコントレ「出会う」
rentrer ラントレ「帰る」 rester レステ「〜のままでいる、残る」
semblerサンブレ「〜のように見える、思われる」 téléphoner テレフォネ「電話する」
tomber トンベ「転ぶ、落ちる」 tourner トゥルネ「回す、(道などを)曲がる」
travailler トラヴァイィエ「働く、勉強する」 trouver トゥルヴェ「見つける」
visiter ヴィズィテ「訪れる」


Ex 5 次の意味になるように先のリストから動詞を選び、活用させて下さい。
a) Je ( ) le musée du Louvre. 私はルーヴル美術館を探しています。
b) Tu ( ) ce CD? 君このCD聴く?
c) Il ( ) la télévision. 彼はテレビをみています。
d) Elle ( ) la cuisine japonaise. 彼女は日本料理が好きです。
e) Nous ( ) au tennis. 私たちはテニスをします(=プレーする)。
f) Vous ( ) à Paris? パリにお住まいですか?。
g) Ils ( ) chez Toyota. 彼らはトヨタで働いています。
i) Elles ( ) Versaillles. 彼女らはヴェルサイユを訪れます。



4. 否定文
【否定文の作り方】 
 フランス語の否定文は、動詞をneヌ〜pasパではさんで作ります。
! 注意:neはエリジオンする言葉です。後ろに母音がくると、n' となります!
!特にêtre、avoirは否定の活用表を覚えると便利です。

〜êtreの直説法現在否定の活用〜
je ne suis pas ジュヌスイパ nous ne sommes pas ヌヌソムパ
tu n’es pas チュネパ vous n’êtes pas ヴネットゥパ
il n’est pas イルネパ ils ne sont pas イルヌソン
〜avoirの直説法現在否定の活用〜
je n’ai pas ジュネパ nous n’avons pas ヌナヴォンパ
tu n’as pas チュナパ vous n’avez pas ヴナヴェパ
il n’a pas イルナパ ils n’ont pas イルノンパ

Ex 6 次の動詞の否定の活用表を作りましょう。
否定 否定




Ex 7 次の文を否定文にしましょう。
a) Il rentre ce soir. 彼は今晩帰ります b) J’aime le poisson. 私は魚が好きです



【否定の冠詞】
! 注意:否定文にした時、後ろの冠詞が変わることがあります!
 次の3つの条件をクリアすると、冠詞は「否定の冠詞」というものに変化する。
(1)否定文で
(2)直接目的語につく
(3)不定冠詞と部分冠詞は
 否定の冠詞deになる! (母音の前ではd’ ) 

例)J’ai une voiture. ジェユヌヴォワチュール「私は車を持っています」
 →Je n’ai pas de voiture. ジュネパドゥヴォワチュール「〜持っていません」
  Nous avons des enfants. ヌザヴォンデザンファン「私達には子どもがいます」
 →Nous n’avons pas d’enfants. ヌナヴォンパダンファン「〜いません」

!否定の冠詞の後ろの名詞は、普通に考えて、複数ありそうなものなら複数、そうでなければ単数。

!Il y a〜の否定はIl n’y a pas。この構文でも不定冠詞・部分冠詞はde。

Ex 8 冠詞が変わるかどうかに注意し、否定文にしましょう。
a) Elle a des robes. エラデローブ 「彼女はワンピースを持っている」

b) C’est une école. セチュネコル 「これは学校です」

c) Il y a de la glace dans le frigo. イリヤドゥラグラスダンルフリーゴ 「冷蔵庫にアイスクリームがあります」

d) J’aime la cuisine française. ジェームラキュイズィーヌフランセーズ 「私はフランス料理が好きです」

Ex 9 肯定文は否定文に、否定文は肯定文に書き換えましょう。
a) Il y a du café dans la tasse. イリヤデュカフェダンラタッス 「カップの中にコーヒーがあります」

b) Je n’ai pas d’amis en France. ジュネパダミアンフランス 「私はフランスに友だちがいません」


5. 疑問詞のない疑問文
疑問詞のない疑問文には、3通りの作り方があります。
(1) 文末に?をつける。イントネーションを上げる。Vous avez 〜 ?
一番簡単な作り方です。日常会話ではこれでOKです。
(2) 文頭にEst-ce queエスクをつける。Est-ce que vous avez 〜 ?
(1) よりやや丁寧な言い方になります。
次に母音で始まる言葉がが来るとエリジオンするので注意。Est-ce qu’il 〜 ?
(3) 主語と動詞を倒置する。
さらにフォーマルな言い方になります。書き言葉でも使えます。ただし場合わけがあります。
(i) 主語が代名詞の時
そのまま倒置してハイフンでつなぐ。Avez-vous 〜 ?
(ii) 主語が代名詞以外の時
もとの主語は文頭に残し、それを代名詞で置き換えたものと動詞を倒置してハイフンでつなぐ。Les étudiants ont-ils 〜 ?

!ただし、倒置した動詞の語末が母音で終わり、主語代名詞が母音で始まる時、母音衝突を避けるため、間に-t-をはさみます。Le garçon a-t-il 〜 ?

!!Il y a の倒置疑問形はY a-t-il イアティル。そのまま覚えてください。

Ex 10 Est-ce queを使った疑問文と倒置疑問文の2通りに書き換えましょう。
a) Vous aimez le café? b) Il est journaliste?


c) L’avion arrive à l’heure? d) Il y a du vin dans la bouteille?

すみれ:オペラ座でランデヴー♪文法篇第2課

<第2課>

1.主語人称代名詞

 英語のIやweなどのように、フランス語にも主語人称代名詞があります。
 8つ、必ずこの順番(je, tu, il, elle, nous, vous, ils, elles)で覚えてください。

je ジュ・・・私は nous ヌ・・・私達は
tu チュ・・・君は vous ヴ・・・あなたは、あなたがたは
il イル・・・彼は、それは ils イル・・・彼らは、それらは
elle エル・・・彼女は、それは elles エル・・・彼女らは、それらは

[注意]
・ tuとvousの使い分け
tu・・・単数、親称(家族や友人など親しい人に対する、カジュアルモード)
vous・・・複数では必ずこれ。単数でも敬称の時(ていねいなとき)
・ 3人称のil, elle, ils, ellesは人でもモノでも使う。フランス語の名詞は男性・女性に分かれているためこれが可能.

Ex 1 次の意味になる主語人称代名詞を書きましょう.
a) きみは b) 彼らは c) 私は
d) 彼女は e) 私たちは f) あなた方は
g) 彼は h) 彼女らは



2.【avoirアヴォワール】 持っている =have

 これは不規則動詞です。辞書に載っている形を原形(不定形)といいます。しかし実際に文の中で動詞として使われる時(不定詞以外)は、主語に合わせて形が変わっています。これを活用といいます。
 動詞の活用を覚える時は、必ず主語代名詞とセットで覚えます。
 覚え方は、まず、順番に唱えながら何回も書きます。次に、暗唱します。次に、「動詞活用万能シート」で主語ランダム版を練習しましょう。
〜avoirの直説法現在の活用〜(「直説法現在」とは、「普通の現在形」だと思ってください)
j’ai ジェ nous avons ヌザヴォン
tu as チュア vous avez ヴザヴェ
il a イラ ils ont イルゾン
elle a エラ elles ont エルゾン

[注意]
・ j'aiというのは、je aiがエリジオンした形です。
・ 「イラ」「エラ」とつなげて読むのはアンシェヌマン。
・ 「ヌザヴォン」「ヴザヴェ」「イルゾン」「エルゾン」とつなげて読むのはリエゾンです。

Ex 2 次の意味になるavoirの活用を書きましょう。/Ex 2# ランダムに読まれる活用を聞いて書き取りましょう。
a) 私たちは持っている b) 彼は持っている
c) きみは持っている d) 彼女らは持っている
e) 私は持っている f) 彼らは持っている
g) あなた方は持っている h) 彼女は持っている


Ex 3 第1課で習った冠詞を使い、例に習って作文しましょう。
例) きみ/携帯portable (m) → Tu as un portable.
a) 彼女/バッグsac (m) b) 私/眼鏡lunettes(いつも複数)

c) 彼ら/子供enfant (m) d) 私たち/家maison (f)


☆ おまけ☆もっと使えるavoir
avoirを使った慣用表現はたくさんあります。すぐ使えて便利なもの:
avoir chaud ショ/暑い J’ai chaud. ジェショ「私は暑い」
avoir froid フロワ/寒い avoir sommeil ソメイユ/眠い
avoir faim ファン/お腹がすいている avoir soif ソワフ/喉が渇いている
avoir raison レゾン/(〜のいうことは)正しい ⇔ tort トール/間違っている
Ex 4 作文しましょう。
a) 私は眠い。 b) きみ寒いの?(平叙文で?をつける)

c) 私たちは喉が渇いている。 d) あなた方はお腹がすいていますか?

e) 彼女のいうことは正しい。 f) 彼らのいうことは間違っている。



3.【êtreエートル】〜です =be動詞

〜êtreの直説法現在形〜
je suis ジュスイ nous sommes ヌソム
tu es チュエ vous êtes ヴゼットゥ
il est イレ ils sont イルソン
elle est エレ elles sontエルソン
   
!注意:3人称複数は、avoirでは「イルゾン」と濁音、êtreでは「イルソン」と清音です。

Ex 5 次の意味になるêtreの活用を書きましょう。/Ex 5# ランダムに読まれる活用を聞いて書き取りましょう。
a) 彼は〜です b) あなた方は〜です
c) 彼女らは〜です d) きみは〜です
e) 私は〜です f) 彼女は〜です
g) 彼らは〜です h) 私たちは〜です



4.形容詞(1)

 フランス語の形容詞は、通常、修飾する名詞の性と数によって形を変えます。これを「性数一致」といいます。

<形容詞の性数一致>
〜大原則〜
辞書に載っているのは男性単数形。これが基本の形・・・grand グラン「大きい」
男性単数の語尾に-eをつけると、女性単数形・・・・・・grande グランド
男性単数の語尾に-sをつけると、男性複数形・・・・・・grands グラン
男性単数の語尾に-esをつけると、女性複数形・・・・・grandes グランド

Ex 6 形容詞petitプティ「小さい」を4通りの形にして、語尾に注意して発音しましょう。
男性単数 女性単数
男性複数 女性複数


Ex 7 指示された意味になるように形容詞を正しい形にして空欄にいれましょう。
a) Il est ( ). 彼は頭がいい (intelligentアンテリジャン)
b) Ils sont ( ). 彼らは満足している (contentコンタン)
c) Elle est ( ). 彼女はきれいだ (joliジョリ)
d) Elles sont ( ). 彼女らは忙しい (occupéオキュペ)


【形容詞の女性形・複数形中原則】
男性単数が –e で終わる場合、女性単数は同形です。jeune ジュヌ 若い
!このタイプも、複数形は原則通りsをつけます。jeunes
男性単数が –s, -x, -z で終わる場合、男性複数は同形です。mauvais モヴェ 悪い
!このタイプも、女性形は原則通りeをつけます。mauvaise / mauvaises

Ex 8 次の形容詞を主語に合わせて形を変えてください。また、語尾に注意して発音しましょう。
a) Il est riche. イレリーシュ 「彼は金持ちだ」
Elle est ( ). Ils sont ( ). Elles sont ( ).

b) Il est gris. イレグリ それは灰色だ
Elle est ( ). Ils sont ( ). Elles sont ( ).

【名詞の女性形・複数形】
 普通の名詞は性が決まっていますが、人を表す名詞などは、自然の性によって形を変えます。女性形、複数形の作り方は、形容詞と同じです。
例)étudiantエテュディアン / étudianteエテュディアント / étudiantsエテュディアン / étudiantesエテュディアント「大学生」

〜職業を表す言葉(1)〜一部特殊形も含みます
professeur プロフェスール「先生」(従来は男性形のみ。近年はprofesseureも使われる)
journaliste ジュルナリスト「ジャーナリスト」
employé / employée アンプロワイエ「サラリーマン」
fonctionnaire フォンクシオネール「公務員」
lycéen リセアン/lycéenne リセエンヌ「高校生」

 「〜人」を表す名詞は、国名の形容詞形から来ています。通常はun Japonaisなどのように冠詞をつけ、大文字で始めます。しかし、ëtreなどの後ろで身分、職業、国籍を表す場合は無冠詞となるため、慣例的に、「〜人です」という場合のみ、Je suis japonais. のように無冠詞で小文字で始めてよいことになっています。もちろんJe suis Japonais. と書いてもよいのです。

〜国籍を表す言葉〜(形容詞男性形/女性形)一部特殊形も含みます
japonais ジャポネ/japonaiseジャポネーズ「日本の」
français フランセ/française フランセーズ「フランスの」
anglais アングレ/anglaise アングレーズ「イギリスの」
chinois シノワ/chinoiseシノワーズ「中国の」
américain アメリカン/américaine アメリケーヌ「アメリカの」
allemand アルマン/allemandeアルマンド「ドイツの」
italien イタリアン/italienne イタリエンヌ「イタリアの」

Ex 9作文しましょう。
a) 彼は先生です。 b) あなたがた(男)はフランス人françaisですか?

c) 彼らはサラリーマンです。 d) 私(女)は高校生です。


【形容詞の語順】
 英語の形容詞は、a black bagのように名詞の前につき、「冠詞+形容詞+名詞」の語順になりますが、フランス語の形容詞は、原則としてun sac noirのように名詞の後ろにつき、「冠詞+名詞+形容詞」の語順になります。

Ex 10 例にならい、形容詞をつけて全体を書き換えましょう。
例)une voiture (noirノワール「黒い」) → une voiture noire
a) un chat (blancブラン「白い」) b) une cravate (vertヴェール「緑の」)

c) une robe (rougeルージュ「赤の」) d) des étudiants (intelligent)

e) des valises (lourdルール「重い」) f) des yeux (gris)

$ヒント:chat シャ「猫」、cravate クラヴァット「ネクタイ」、robeローブ「ワンピース」、étudiantエテュディアン「大学生」、valise (f) ヴァリーズ「スーツケース」、
des yeuxデズュー un œil「目」の複数形(特殊な形の複数形は後述)


!注意:いくつかの短くて(2音節まで)よく使う形容詞は、名詞の前につきます。形容詞によっては、前にも後ろにもつくことがあるもの、前と後ろで意味が異なるものもあるので、分からないものは辞書を確認しましょう。
 名詞の前につく(ことが多い)もので大原則・中原則の範囲で整数変化するものは例えば:grandグラン「大きい、背が高い」、petitプティ「小さい、背が低い」、jeuneジュヌ「若い」、joliジョリ「きれいな、かわいい」、mauvaisモヴェ「悪い」など。

Ex 11 例にならい、形容詞をつけて全体を書き換えましょう。
例)une voiture (petit) → une petite voiture / des voitures (petit) → de petites voitures
!注意:複数不定冠詞desは後ろに形容詞がつくとdeに変わります。
a) un arbre (grand) b) une fille (jeune)

c) des fleurs (joli) d) des livres (mauvais)

$ヒント:arbreアルブル「木」、filleフィーユ「娘」、fleur (f)フルール「花」、livre (m) リーヴル「本」

すみれ:オペラ座でランデヴー♪〜文法篇第1課

新教科書、文法篇もサンプルをお目にかけましょう♪

明治も含め、いくつかの大学は5月開講を決めたようですが、早く勉強した〜い!という方は、こちらでどうぞ♪


     すみれ:オペラ座でランデヴー♪
           〜文法篇〜

           <第1課>

1. 名詞の性と数
フランス語の名詞は、男性名詞と女性名詞に分かれています。
(話し手が男性か女性かには関係ありません)
この区別はラテン語から継承されているもので、語尾の形からだいたい分かるものの、辞書を引き、冠詞をつけて覚えるのが一番です。
およその目安:
男性名詞は-e以外で終わっている(例外:-age, -aire, -ismeは男性名詞)
女性名詞は-e, -ion, -té, -aisonで終わっている

 どの名詞も、基本的には単数形にsをつけることで複数形を作ることができます(例外的なことは後述)。


2. 不定冠詞、定冠詞、部分冠詞
 特定の用法以外、フランス語の名詞が、文中に無冠詞で現れることは、稀です。
 英語のa, anにあたるのが「不定冠詞」、theにあたるのが「定冠詞」、数えられないものについて、「いくらか」の分量を表すのが「部分冠詞」です。
 どれも、つく名詞の性数によって形が違います。
  
<不定冠詞>
使い方・・・・「数えられる」「未知のものを提示する」「特定化されていない」
男性単数:un アン un stylo アン・スティロ「ペン」
un enfant アナンファン「子供」
女性単数:une ユヌ une voiture ユヌ・ヴォワチュール「車」
une église ユネグリーズ「教会」  
複数:des デ des stylos デ・スティロ
des entants デザンファン
des voitures デヴォワチュール
des églises デゼグリーズ
Ex1 不定冠詞をつけましょう。(以下、m: 男性名詞、f: 女性名詞)
a) ( ) fleur (f) 花 b) ( ) billet (m)切符
c) ( ) avions (m)飛行機


<定冠詞>
使い方・・・・「既に分かっている」「特定化されている」「あるものの全体を表す」
男性単数:le ル le livre ル・リーヴル「本」
l’appartement ラパルトマン「アパート」
女性単数:la ラ la maison ラ・メゾン「家」
l’école レコール「学校」
複数:les レ les livres レ・リーヴル
les appartements レザパルトマン
les maisons レ・メゾン
les écoles レゼコール
!le, laは、後ろに母音または無音のhで始まる単語が来ると、エリジオンします。

Ex2 定冠詞をつけましょう。
a) ( ) cahier (m)ノート b) ( ) banque (f)銀行
c) ( )hôtel (m) ホテル d) ( ) chaises (f)椅子


<部分冠詞>
使い方・・・・「数えられない」ものについて「いくらかの」分量や程度を表す。

男性単数・・・du デュ du vin デュヴァン「ワイン」
女性単数・・・de la ドゥラ de la bière ドゥラビエール「ビール」
母音の前で・・de l’  de l’eau ドゥロ「水」
定義上、複数はありません!

液体は容器に入れて、塊はスライスして便宜的に数えているにすぎない。お金も単位を数えているだけ。あと、抽象的な物も程度が感じられれば部分冠詞がつけられる。
例)du courage 勇気 de la monnaie 小銭

Ex 3 部分冠詞をつけましょう。
a) ( ) pain (m)パン b) ( ) viande (f)肉
c) ( ) argent (m)お金


Ex 4 不定冠詞は定冠詞に、定冠詞は部分冠詞にして全体を書き換えましょう。
a) le café ( ) b) des filles ( )

c) un arbre ( ) d) la patience ( )



3. 提示の表現

・ Voici(+不定冠詞、定冠詞)「ここに〜があります」
・ Voilà(+不定冠詞、定冠詞)「そこに〜があります」
・ C’est(+単数・不・定)「これは〜です」
・ Ce sont(+複数・不・定)「これらは〜です」
・ Il y a(+不定)(+場所の前置詞+定冠詞)「〜に・・・があります」


(1) Voilà〜. 「ほら〜です。」「そこに〜があります」/Voici〜「ここに〜があります」
Voilà un taxi. ヴォワラアンタクスィ 「ほら、タクシーです」・・・何でもいいから1台きたから不定冠詞。
Voilà le train (de 10 h). ヴォワラルトラン(ドディズール) 「ほら、(10時の)電車だよ」・・・待っていたあの電車がきたので定冠詞。
Voici une Toyota. Voilà une Renault. ヴォワスィユヌトヨタ。ヴォワラユヌルノー。
ここにトヨタ(の車)があります。そちらにルノー(の車)があります。
(「車」はune voitureまたはune auto。une Toyota = une voiture de Toyota)
!VoiciとVoilàは、二つのものを対比させる時にVoiciが近い方、Voilàが遠い方を表す。ひとつのものを「ほら」と提示する時には、Voilàを用いる。日本語の遠近の感覚と完全には対応しないので、注意)

Ex 5 作文しましょう。
a) ほら、駅gare (f)です。

b) ここに苺fraise(複数で)があります。そちらにさくらんぼcerise(複数で)があります。


(2) C’est +単数(=This is〜)、Ce sont +複数(These are〜)「これ(ら)は〜です」
C’est un appartement. セタナパルトマン これはアパートです。・・・未知のものを初めて提示しているから不定冠詞
C’est l’appartement de Paul. セラパルトマンドポル これはポールのアパートです・・・「ポールの〜」と、特定化されたから定冠詞
Ce sont des pommes. スソンデポム これらはリンゴです。・・・「(梨に見えるかもしれないけど)リンゴだよ」と、分からないものを教えているので不定冠詞。C’est〜は後ろが複数だとCe sont〜になる。

Ex 6 作文しましょう。
a) これは消しゴムgomme (f)です。

b) これはマリーMarieの消しゴムです。

c) これらはオレンジorangeです。


(3) Il y a +不定冠詞+場所を表す表現(定冠詞) 「〜に・・・があります」
Il y a イリヤ〜は、原則として未知のものを提示する構文なので、「既に1コしかないことが分かっているもの」(固有名詞など)を提示する時以外は、定冠詞は使わない。一方、場所の方は「もう分かっている場所」なので定冠詞を使う。
Il y a une voiture devant la maison. イリヤユヌヴォワチュールドゥヴァンラメゾン 門の前に車が1台ある。・・・「分からない車」が止まっているから不定冠詞。家の方はもう分かっているから定冠詞。
Il y a un concert ce soir. イリヤアンコンセールスソワール 「今晩はコンサートがあります」・・・「モノ」でなくても「コト」でも「ある」と言える。
Ex 7 作文しましょう。
a) 冷蔵庫frigo (m)の中にdansアイスクリームglace (f) があります。
(ヒント:アイスクリームは数えられますか?)

b) テーブルtable (f)の上にsur皿assiette (f)(複数で)があります。




☆おまけ☆もっと使えるC’est〜.
 C’est〜. は、いろいろ使い回せるとても便利な構文です。そのまま覚えて役に立つのは例えば:

+形容詞
C’est bon. セボン「おいしい」 C’est bien. セビアン「いいね」
C’est super. セスュペール/C’est génial. セジェニアル「すごい」(若い人の表現)
C’est agréable. セタグレアーブル(場所などが)「気持ちいい」
C’est magnifique. セマニフィーク「すばらしい」


+疑問詞(簡略化したいい方なのでフォーマルではない)
C’est quoi? セクワ「これ何?」 C’est où? セウ「それどこ?」
C’est quand? セカン「それいつ?」 C’est à quelle heure? セタケラール「それ何時?」

2011年03月23日

第4課 今日は何をするのですか?

新教科書の続きです。いよいよみんなも唱うことになります。




第4課 今日は何をするのですか?
<Conte 4 Qu’est-ce qu’on va faire aujourd’hui?>

 先週、すみれ先生が、きみたちも歌っていいわよ、と言ったので、今日はみんなドキドキです。

Sumiré: みなさんこんにちは。元気ですかBonjour, tout le monde. Comment ça va?
Classe: 先生こんにちは、元気です。ありがとうございますBonjour, madame. Ca va bien, merci.
Yuta: 先生、今日は何をするんですかMadame, qu’est-ce qu’on va faire? 歌うんですかOn va chanter?
Yoshi: ぼくは…痛いですJ’ai mal アラ…アラ…アララ.
Sumiré: 頭ですか、喉ですか、お腹ですか、歯ですか?À la tête, à la gorge, au ventre, ou aux dent?
Yoshi: 喉が痛いんですJ’ai mal à la gorge.
Miho: ちょっと咳が出ますJe tousse un peu.
Yasu: すんごく元気ですけど、歌は苦手ですJe suis tout en forme, mais les chansons ne sont pas mon fort.
Toshi: 音楽の授業は悪夢でしたLe cours de musique était mon cauchemar.
Yuka: 歌うのは好きなんですけど、音痴なんですJ’aime bien chanter, mais j’ai la voix fausse.
Haruka: 声量ありませんIl me manque de l’ampleur de la voix.
Masa: カラオケなら得意です〜Je suis fort dans le karaoké♪
Sumiré: はいはい分かりましたD’accord, d’accord. 問題ありませんPas de problème. 大丈夫ですCa va. 心配しないでNe vous inquiétez pas. それだけしゃべれれば全く問題ありませんComme vous parlez si fort, aucun problème. 密かに自信の方もいらっしゃるようでQuelqu’un en a une confiance secrète、期待できますねCa me laisse pas mal d’attente♪うふふ〜♪たまに天然で歌える人、いますからねOn pourra trouver un bon chanteur ou une bonne chanteuse naturelle, ce n’est pas très rare。そうでなくっても、ご心配なく。見たところ、声帯など発声器官に異常がおありの方はいらっしゃいません。物理的に出さえすれば、今、下手だろうが声が小さかろうが、ほどなく改善できます。人によっては、また努力によって、劇的に変わります。赤ちゃんのとき、泣くのに苦労された方って、いないと思うのです。赤ちゃんがうまく泣けなかったら、病気です。危ないです。問題はそのあとです。人間は、言葉をしゃべりますね。発話の仕方を学ぶということは、発声器官の使い方を、見よう見まね、聞きまね、試行錯誤しながら習得するということです。周りがどんな声でどんな話し方でしゃべっているかにもよるのですが、子供だってね、素直な子ばっかりじゃないんですよ。自分が最初に採用した方法をかたくなに守る子とかね。直そうとすると怒るとか、固まるとか。きみたちだって、見てると、程度の差こそあれ、そうなんですよ。「その抵抗をやめれば、できるのに」と、いつも思います。
Classe: えーーーーーー!(不満げ)
Sumiré: だってそーなの。新しい語学で「できません!」って言う人は、できないようにできないように抵抗してるのよ。その賢そうな批判精神は、ちょっとわきにおいておいてだね、授業が終わったら、忘れずに持って帰ってくださいね、誰も学生課に届けませんから、今はすべての無駄な抵抗をやめ、素直〜〜〜〜にやってみてください。その疑いの眼もやめるのよ♪
Classe: (しょーがないなー、先生、わがままなんだから。かわいいから、いっか)
Yuta: 先生、何唱うんですかMadame, qu’est-ce qu’on va chanter?シャンソンとかですかUne chanson française?
Sumiré: いや〜あれはですね、初心者向けではないのですNon… les chansons françaises, ce n’est pas bien pour les débutants. 手始めにイタリアものいきましょうOn va commencer par une italienne. 「サンタ・ルチア」はご存知ですかConnaissez-vous “Santa Lucia”?
Classe: はーい!
Yuka: 高校でやりましたJe l’ai appris au lycée.
Toshi: あれってイタリア語じゃないんですかC’est en italien, non?
Sumiré: ええ。まずイタリア語、次にフランス語で歌ってみましょうOui, d’abord, on chante en italien, et puis, en français. その方が声にいいですCe sera mieux pour la voix.
Haruka: 歌詞思い出せませ〜んJe ne m’en rappelle pas le lyrique!
Sumiré: はいはい、ちゃんと用意してありますJ’ai bien préparé. 最初はイタリア語の音読から始めますよOn va commencer par la récitation en italien. 注意Faites attention! 小さい口をキープしてくださいGardez la bouche étroite. 開母音でもですMême si en voyelles ouvertes.
Masa: なんでですか〜Pouquoi?
Sumiré: 声の圧力を集中し、声を安定させるのに、その方がよいのですParce que ce sera mieux pour concentrer la tension de la voix et pour garder la stabilité vocale. 唱うときも、最初は小さい口、それからぱかっと開きますEt on chante d’abord avec la bouche étroite, ensuite, ouverte. 顎をもっと開くためには、フィジカル・エクササイズがあるのですIl y a des exercices physiques pour plus ouvrir les machoirs.
Masa: ひょえ〜まるで体育会系授業Comme si un cours de gymnastique.
Sumiré: ジムナスティックね。よかったらマッサージのメソッドだってありますよJ’ai quelques méthodes de gymnastique capillaire, si vous voulez. 美容と健康にとても良いのですC’est très bien pour la beauté du corps et la santé.
Hiromi: 先生、そっちがいいですMadame, je les préférerais♪
Sumiré: はいはい、ちょっとずつねOui, oui, petit à petit. まずは音読からCommençons par la récitation. 繰り返してRépétez.


<Santa Luciaイタリア語版>
Sul mare luccica l’astro d’argento, placida è l’onda, prospero è il vento…
Sul mare luccica l’astro d’argento, placida è l’onda, prospero è il vento…
Venite all’agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia!
Venite all’agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia!

Con questo zeffiro così soave, oh! Com’è bello starsulla nave!
Con questo zeffiro così soave, oh! Com’è bello starsulla nave!
Su passeggeri, venite via! Santa Lucia! Santa Lucia!
Su passeggeri, venite via! Santa Lucia! Santa Lucia!

O dolce Napoli, o suol beato, ove sorridere volle il creato!
O dolce Napoli, o suol beato, ove sorridere volle il creato!
Tu sei l’impero dell’armonia! Santa Lucia! Santa Licia!
Tu sei l’impero dell’armonia! Santa Lucia! Santa Licia!

Or che tardate? Bella è la sera, spira un’auretta fresca e leggera.
Or che tardate? Bella è la sera, spira un’auretta fresca e leggera.
Venite all’agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia!
Venite all’agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia!




<Santa Luciaフランス語版>
Santa Lucia
by René Simard
Sur l'onde claire, charmant mystère
La lune éclaire et c'est la nuit
Voici la brise, douceur exquise
Ma voile grise au loin s'enfuit
Venez fidèle, dans ma nacelle
Santa Lucia, Santa Lucia

Adieu beau rêve, le vent s'élève
Loin de la grève ma barque fuit
Dans mon village, le cher rivage
Dans un nuage est englouti
Ô ma patronne, pour moi sois bonne
Santa Lucia, Santa Lucia

Soudain sur terre, un phare éclaire
Ah! C'est ma mère qui me conduit
Allons, courage ! Plus de naufrage
Bravons l'orage ! L'espoir revit
Guidez ma voile vers cette étoile
Santa Lucia, Santa Lucia





<Santa Lucia日本語版>
空に白き 月の光 波をふく そよ風よ
空に白き 月の光 波をふく そよ風よ
彼方島へ 友よ行かん サンタルチア サンタルチア

白銀の 波に揺られ 舟はかろく 海を行く
白銀の 波に揺られ 舟はかろく 海を行く
彼方島へ 今宵また サンタルチア サンタルチア

友よいざ 舟に乗りて 波をこえ とくゆかん
友よいざ 舟に乗りて 波をこえ とくゆかん
彼方

第3課 スペイン、メキシコ、ロシア、ロンドン、ミラノ、ウィーン、プラハ、そしてアメリカに

遅ればせながら、このたびの東北関東大震災で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

4月からの学校がどうなるのか、心もとないところではありますが、準備中の新教科書、ストーリーの続きをご紹介いたします。
テクストとしてはこれに解説を付けますが、授業そのものをネタにした内容になっておりますので、みんなで読み合わせるだけで、すみれ先生の授業を授業内で体験できるという仕掛けになっています。電車が遅れたり寝坊したりしたときのいいわけも満載??!イヤミも切り返しもフランス語!
かわいくてわがままなすみれ先生の君臨する、ぶっ飛んだ内容なのにスーパー・リアルな授業をお楽しみください。


第3課 スペイン、メキシコ、ロシア、ロンドン、ミラノ、ウィーン、プラハ、そしてアメリカに
<Conte 3 En Espagne, au Mexique, en Russie, à Londres, à Milan, à Vienne, à Prague, et aux États-Unis>
 今日も生徒たちの質問は続きます。すみれ先生は、みんながいろいろ聞きたくてうずうずしているのをよいことに、「質問はフランス語でねDemandez en français」と注文をつけたので、みんな必死で調べてきます。

Sumiré: みなさんこんにちは。元気ですかBonjour, tout le monde. Vous allez bien?
Classe: 先生こんにちは、とても元気です。ありがとうございますBonjour, madame. Très bien, merci.
Yuta: ぼくはまあまあですMoi, comme ci comme ça.
Katsu: 先生、マサからの伝言ですMadame, Masa m’a laissé un message. 彼は風邪で、今日は来られませんIl a pris froid. Il ne peut pas venir aujourd’hui.
Sumiré: ありがとう、分かりましたMerci, d’accord. 秋元くんはお休みですねMonsieur Akimoto est absent…
Miho: 先生、ユカからちょうどメールですMadame, Yuka vient de me donner un mail. 千代田線で事故がありましたIl y a eu un accident dans la ligne Chiyoda-sen. 彼女の電車は駅と駅の間で止まっていますSon train reste bloqué entre les stations. 彼女は遅れそうですElle sera en retard.
Sumiré: アンラッキーですね、分かりましたElle n’a pas de chance… d’accord.
Takashi: (Il entre.) 先生こんにちは、すいません、遅れましたBonjour, madame. Excusez-moi, je suis en retard.
Sumiré: こんにちは、きみは…Bonjour. Vous êtes monsieur…?
Takashi: 遠藤ですEndo.
Sumiré: 遠藤くん、事故ですかMonsieur Endo, c’est à cause d’un accident?
Takashi: いいえ、寝坊しましたNon. J’ai fait la grosse matinée.
Sumiré: 目覚まし時計をかければよかったんじゃありませんかVous auriez dû mettre le réveil, non?
Takashi: それならちゃんとかけました。でも、ちゃんとスイッチ切っちゃったんですJe l’avais bien mis, mais j’ai bien coupé le contact…
Sumiré: もうひとつ買った方がよくはありませんかIl vaut mieux acheter un autre, non?
Takashi: お金があったらねぇSi j’avais de l’argent…
Sumiré: バイトしなさいFaites un petit boulot.
Takashi: 探してみますJe vais chercher…

Keita: 先生、先生はコンセルヴァトワールに行ってたんですかMadame! Vous alliez au Conservatoire?
Sumiré: 誰か聞くと思ってましたJe pensais que quelqu’un le demandais… いいえ、コンセルヴァトワールにいたわけではありませんNon. Je n’y étais pas. マエストロはそこの先生でしたが、オペラ座に秘密の部屋も持っていたのですLe Maestro était professeur au Conservatoire, mais il avais aussi un atlier secret à l’Opéra.
Classe: オペラ座に秘密の部屋Un atlier secret à l’Opéra!
Miho: オペラ座の怪人みたいComme le Fantôme de l’Opéra!
Sumiré: はい、それに彼はエリゼ宮の秘密顧問もしていたのですOui, et il était aussi un conseiller secret à l’Élysée.
Tomo: シャンゼリゼ通りでですかAux Champs-Élysées?
Sumiré: いいえ、エリゼ宮でですNon, au palais de l’Élysée. 大統領官邸のことですC’est la résidence officielle du Président.
Yuka: 先生、そこから先は、日本語でないと分かりません。
Sumiré: はい、大統領官邸の秘密顧問ということです。
Classe: 秘密顧問!
Sumiré: そんな正式名称があるわけではないと思いますが、彼はそんなことを言っていました。例えば、サルコジが大統領になりたての頃の演説、聞いたことおありに…はならないでしょうね、きみたちまだ子供だったから。今も子供だけど。
Toshi: ぼくはもう子供ではありません。だって…Je ne suis plus un enfant, parce que…
Sumiré: 理由は言わないでよろしいIl ne faut pas dire la raison。どうせろくでもないことですCa tombera en disgrâce。とにかく、彼が大統領になりたての頃の演説は、ひどいものだったのです。Vulgaire…下品といったらいいんですかね。でも、NHKの海外ニュースでは、フランスのニュースが見られますからね、たまに見てごらんなさい、今ではちゃんとしています。あれは専門家の訓練を受けたのです。単に台本が書かれているというだけでは、あのようには話せません。外国では、それなりの階級の人は声の訓練を受け、カヴァード・ヴォイスなどの技法を身につけます。そこまで行かずとも、子供の頃から家庭で、知的な話し方をするよう、しつけられることが多いのです。まあそういうわけで、マエストロは大統領に限らず、トップマネジメントdes cadres dirigeantsの相談役を務め、しばしば声ばかりでなく、外交や危機管理、経営などの相談も受けていたとのことです。
Yuka: 彼は誰の顧問だったんですかIl était un conseil de qui?
Simiré: マエストロが誰の顧問をしていたかは、秘密ですCeux à qui le Maestro a donné des conseils, c’est secret. それは職務上の秘密というやつですC’est le secret professionel. でもフランスでは、第二次大戦後の大統領は6人しかいません。シャルル・ド・ゴール、ジョルジュ・ポンピドゥー、ヴァレリー・ジスカールデスタン、フランソワ・ミッテラン、ジャック・シラク、そしてニコラ・サルコジです。ですので、あとはご想像ください。Mais, en France, il n’y a que six présidents après la deuxième guerre mondiale: Charles de Gaulle, Georges Ponpidou, Valéry Giscard d’Estaing, François Mitterrand, Jacques Chirac et Nicolas Sarközy. Donc, on peut deviner.
Haruka: 彼はどうしてそんなたくさんのことに通じているのですかPourquoi est-il au courant de tellement de choses?
Sumiré: émissaireになるためには、万事に通じていなければならないからですParce qu’on doit être courant de tout pour être un émissaire.
Classe: アネミセール? それは日本語でなんと言いますかCa se dit comment en japonais?
Sumiré: 「密使」です。彼が外国に行く際は、歌いにいくばかりでなく、しばしば政治的任務を帯びているのですQuand il va à l’étranger, c’est pour chanter ainsi que parfois pour apporter une mission politique.
Keita: まじっすか?C’est vrai?
Sumiré: はい、中世以来…Oui, depuis le Moyen Âge…
Tomo: 先生、日本語で説明していただけますかMadame, pourriez-vous nous expliquer en japonais?
Sumiré: 分かりました。中世以来のヨーロッパでは、各地の宮廷を回る楽士が存在しました。宴の余興程度でも、気に入られればたいそうな褒美がもらえましたが、王の記念イベントのようなものとして、歌と器楽と踊りがセットになった大掛かりな出し物の上演を請け負う興行主(インプレッサリオ)のようなことをすることもありました。後のオペラやベレエにつながるものですね。また彼らのうち、教養あるものは、長く特定の君主に仕え、相談役を務めるほか、放浪を装い、密命を携えて隣国に赴くこともあったのです。いわば放浪楽士兼スパイtroubadour-espionですね。
きみたちは婚活っていうんですか、先生は最初、トンカツかと思いましたね、これなんか、もはや略語ではないでしょう、もとの言葉は何なの?って感じですね、お嫁さん探しも重要な使命でした。縁組みが国の命運を左右しましたからね。妻の家系に直系男子が絶えると、妻を通して相続権を主張して乗り込むこともできたんですよ。イギリスのプランタジネット朝なんてのは、フランスのアンジュー伯アンリHenriが乗り込んだので、プランタジネットPlantagenetとは、フランス語でPlantagenêtエニシダの枝という意味なのです。えっへん。「略奪婚」なんて、今では男や女をパートナーから奪うことのようですが、昔は相続権付きの娘は、虎視眈々と狙われて、父親が亡くなるや否や、文字通りの略奪同然で連れて行かれたり!本物の略奪婚とは、そんな呑気なものではなかったのです。
 世界史を少し復習してみましょう。フランスのあたりは、もともと、ガリアと呼ばれ、ケルトの様々な部族が住んでおりましたが、カエサルにより征服され、ローマの属州となりました。ローマ帝国の支配力が衰えてからは、ゲルマン民族の大移動があり、ゲルマン系の諸部族がしのぎを削る時代を経て、現在のシャンパーニュ、アルデンヌ、ドイツ西部、ベルギーなどを含むアウストラシアという地方からメロヴィング家が勢力を伸ばしました。クロヴィス1世の時代が最大でしたが、フランク族には分割相続の慣習があったため、彼の死後、領土は細分化されました。それでも王はしばらくメロヴィング家であり続けましたが、これは領土すべてを直接統治していたわけではなく、各地の小領主たちを半ば名目上従えていたに過ぎず、それも実際は王そのものより「宮宰」と呼ばれる力のある貴族が仕切っていることが多かったのです。やがてアウストラシアの宮宰であったピピン1世から外孫ピピン2世の代にフランク王国全体の宮宰として実権を握ります。彼には実子もありましたが、実力のあった庶子カール=マルテルが勝ち残り、その子ピピン3世の代に王位について名実共にカロリング朝を開いたのです。その子シャルルマーニュCharlesmagneの時代には、ドイツl’Allemagne、イタリアl’Italieにもまたがるヨーロッパの広い地域を支配しましたが、孫の代には分割相続となり、勢力が衰えました。
 西フランク王国の血統を継ぐカペーCapet朝になってからは、カペー家が直接支配するのは、イル=ド=フランスIle-de-Franceと呼ばれるパリ周辺の小さな地域とオルレアン、ベリーの一部だけでした。しかし、今日のフランス中部南部から大西洋にまたがりワインや塩などの重要な貿易産品とその積出港を含む広い豊かな地域を支配するポワトゥー伯兼アキテーヌ公ギヨームが1137年に38歳で亡くなったとき、子供は娘二人、長女も15歳だったのです。ギヨームは、娘と領地を守るため、密使に遺言を託し、フランス王家との縁組みを申し入れました。時の王ルイ6世(肥満王)は重病でしたが;;;すぐさま16歳の王太子に気のきいた家臣をつけて南仏にやり、その場で二人を結婚させたのです。当時のヨーロッパはキリスト教国で、ローマ法王の権力も強かったですから、既成事実を作ってしまえば、ほかのものはおいそれとは手出しできないのです。ルイ6世はその後すぐ亡くなりましたので、事実上はこの結婚のとき、現在のフランスのかなりの面積を占める領地が一挙にルイもうじき7世の手に入ったわけです!
この話は全然めでたしめでたしではなく、むしろ百年戦争の遠因ともなる長い長い確執がこの二人の不仲から始まるわけですが、それはまたの機会にいたしましょう。とにもかくにも、王や貴族などの権力者、あるいは権力を志向するものにとって、情報は価値あるものですから、楽士に限らず、占星術師l’astrologueや香水調合師parfumeur(媚薬や毒薬も調合していたようですね)、医者médecin、歯医者dentiste、ある種の聖職者prêtreなども、セレブを顧客に持つものはしばしば本業と平行してこの種の活動を行っていたわけです。これは中世に限ったことではありません。ナポレオン3世なんてのは、アメリカで南北戦争が勃発したとき、自分のかかりつけの歯医者が−−トマス・エヴァンズという人ですが−−アメリカ人だったので、従軍医療の名目で彼を情報収集のため派遣して、その報告から、どっちに味方するか決めたんですよ。
Miho: それで、そのマエストロは、歌ったり、スパイ…しに行ったりEt le Maestro est allé chanter et espion…ner?
Sumiré: スパイするespionner, ou faire l’espionnage. 動詞で言ってもいいし、名詞化して使ってもいいです。
Miho: それでそのマエストロは、外国に歌ったりスパイしに行ったりなさったんですかEt le Maestro est allé chanter et espinner à l’étranger? どこにC’était où?
Sumiré: スパイをしにいったとは、申し上げないでおきましょう、なぜなら、彼が何をしていたかは、正確には知らないからですJe n’ose dire qu’il a fait l’espionnage, car je ne sais pas exactement ce qu’il a fait. でも少なくとも、彼はスペインやメキシコ、ロシア、ロンドン、ミラノ、ウィーン、プラハ、アメリカなどには行ったことがありますMais, au moins, il a été en Espagne, au Mexique, en Russie, à Londres, à Milan, à Vienne, à Prague, aux États-Unis, etc.
Yuka: スカラ座やメトで歌ったんですかIl a chanté à la Scala ou au Méto?
Sumiré: 彼の言うところでは、違いますSelon lui, non. 彼は、セレブのプライベートなサロンに招かれたり、軍隊の合唱団と歌ったり、セミナーで教えたりしたとは言っていましたIl a dit qu’il avait été invité par des célèbres pour leur salon privé, pour chanter avec le chœur militaire, ou pour enseigner dans un séminaire.
Yuta: ちょっと聴いてみたりできますかPuis-je écouter un peu? CDはお持ちですかVous avez un CD?
Sumiré: うーん、2、3枚は持ってますけどね…でも彼は録音は嫌いだし…それにもう、時間ですEuh…j’en ai deux ous trois… mais il n’aime pas les enregistrements… et maintenant, c’est l’heure. もう12時10分ですねIl est déjà midi dix. 今日のところはこれで終わりにいたしましょう、また来週、さようならC’est fini aujourd’hui et à la semaine prochaine. Au revoir!
Classe: 先生、さようならAu revoir, madame!
Yuta: 先生!ぼくも歌ったりしちゃ、ダメですかMadame! Pourrais-je chanter, moi aussi?
Sumiré; まあ、やってみたいのVoulez-vous essayer?もちろんいいわよBien sûr que oui.

2011年03月09日

第2課 その人はどんな人ですか?

第2課 その人はどんな人ですか?
<Conte 2 Il est comment, ce monsieur?>
 生徒たちの質問は止まりません。
Saki: 名前はなんていうんですか? Il s’appelle comment?
Tomo: 何してる人ですか? Qu’est-ce qu’il fait dans la vie?
Keita: いくつですか? Il a quel âge?
Haruka: どんな人なんですか? Il est comment, ce monsieur?
Sumiré: お名前は、マヌエル・ガルシア4世といいます。Il s’appelle Manuel García IV.
Classe: …4世!
Sumiré: そう。1世は、ロッシーニお気に入りのベルカント・テノールで、『セヴィリアの理髪師Le barbier de Séville』のアルマヴィーヴァ伯爵le Comte Almavivaを初演la premièreで歌ったのよ。2世はバリトンで、1805年に生まれてIl est né en 1805, 1906年に亡くなっているil est mort en 1906. から、101歳まで長生きしたことになるわね。ステージに立つのは早々に断念したらしいけど、その代わりパリやロンドンで教えて、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、たくさんのオペラ歌手を世に送り出したことで有名。彼はなんと、発声法の研究に没頭したあまり、声帯を観察するための咽頭鏡−−って分かる?喉の奥を観察するためのミラーよ−−を発明したのでした。喉の奥に入れるための小さな歯科用の鏡と、喉の奥に光を入れるための別の鏡を組み合わせたものですが、これは、今日、医療用に使われているものの原型になっています。
Classe: へーーーーー!
Sumiré: えっへん。この一家は、お母さんも、兄弟姉妹とも、ほとんどみんな歌ってるのよ。むしろ歌手として成功したのは妹たちの方で、マリア・マリブランMaria Malibranは、それまでジュディッタ・パスタGiuditta Pastaなどイタリア人で占められていたプリマ・ドンナの地位を獲得し、ドニゼッティの『メアリー・スチュアート』のタイトル・ロールを初演で歌いました。美人でも有名でしたが、落馬事故がもとで若くして亡くなり、代わってガルシア家出身のスターになったのが妹のポーリーヌ・ヴィアルドPauline Viardoです。彼女は実は声域こそ広かったものの、声の質にも美貌にも恵まれていなかったのですが、驚異的な情熱とテクニックと才気ですべてをカバーし、多くの、とりわけ上流階級や文化人の賛美者を得ました。ツルゲーネフなんか、なんとロシアから彼女の追っかけをしてパリまで来て、住み込みまでしていたのだとか。まあ、その見返りに彼女のサロンで文学者として売り出してもらったらしいですけど。知られていませんが、彼女は作曲もしていたのです。
Pauline Viardot, Sur les lagunes


また、お父さんであるマヌエル・ガルシア1世の曲のアレンジもしています。
Havanaise



 お兄さんのガルシア2世の方は、教師professeurとして有名だったのね。パリのコンセルヴァトワールConservatoire de Parisとロンドンのロイヤル・アカデミーで教えたほか、ロッシーニの死後にできた音楽院の理論的支柱にもなりました。彼の書いた『ベルカント唱法のヒント』という本は、現在でも使われていて、邦訳もあるんですよ。



Classe: ひょお〜〜〜〜〜
Sumiré: 彼の息子の一人un de ses filsギュスターヴGustaveも歌い手chanteurで、俳優acteur、声と舞台テクニックの本を3冊も書いています。さらにその息子のアルベルトAlbertoは、大叔母さんであるさっきののポーリーヌ・ヴィアルドから習ってバリトンとして成功しました。おじいちゃん(2世ですね)の本を編集出版したのは彼なのです。先生が出会ったのは、そこから2代かな?下の直系の子孫なのですね。
Classe: はあ〜〜〜〜〜
Keita: で、何歳なんですか?Et, il a quel âge?
Sumiré: 知らな〜いJe ne sais pas。歳なんて聞かなかったしJe ne lui ai pas demandé son âge。彼ってミステリアスなのよねIl est mystérieux。髪は銀髪les cheveux argentés、おひげは短く刈り込んでla moustache et la barbe tondues、とってもシブいのil est très raffiné。彼の声もまた、銀のように澄んで輝いてるのよSa voix est argentée aussi。
Masa: アツいね〜〜Vous êtes passionnante.
Sumiré: ほっといてLaissez faire。歌い手はアツくならなきゃ歌えないんだからLa chanteuse ne peut pas chanter sans passion。ふ〜〜〜んだ。
Yuka: 先生、今日の授業は何なんですか? Madame, qu’est-ce qu’on va étudier aujourd’hui?
Sumiré: おお、忘れるところだったわJ’oubliais!今言ったこと、解説しなくちゃJe dois expliquer ce que j’ai dit tout à l’heure。